産地の違いがわかる
3種のコーヒー
Ethiopia
珈琲文化の故郷「エチオピア」
紅海の対岸イエメンと合わせて長く"モカ"と称された歴史ある特別な産地。 アラビカ原種発祥の地と言われ、長く飲用文化が育まれたまさにコーヒーの故郷。 高原地帯に降り注ぐ強い太陽光と水資源を得にくい地域特性により自然発生的にナチュラル精製が行われ、 さらにドライチェリーの状態で長期間貯蔵された独自の熟成と発酵のニュアンスは、 そのオンリーワンかつミステリアスな香味で世界中のコーヒー愛好家を惹きつけ、 現在のナチュラルやハニー精製ブームの原動力となった。 かつては10年に1度の当たり年と言われたクリーンで華やかな果実感も、 近年の飛躍的な技術革新により毎年の様に安定して楽しめる様に日々進化を遂げている。
Flavor | CacaoNib, Walnut, Brownsugar |
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Region | Sidamo |
Elevation | 1,800m - 2,000m |
Variety | Native Heirloom |
Process | Natural |
Cuba
カリブ海の宝石「キューバ」
コーヒーの苗が初めて大西洋を渡った18世紀にいち早く栽培が普及したカリブ海沿岸地域。 ジャマイカのブルーマウンテンやハイチコーヒーなどとイメージを共にするキューバ産の最高等級クリスタルマウンテンは、 その気候特性によって生み出される明るい酸味と、伝統的ウォッシュト精製によるクリーンな透明感が魅力。 現在の最先端コーヒーシーンを牽引する中米スペシャルティコーヒーの先駆けとも言える安定した高品質栽培へのこだわりは長い時を経ても色褪せることを知らない。 軽やかなフレーバーを楽しめる浅煎り焙煎が定番で、サイフォンなど高温抽出との相性も良い。
Flavor | Lemon grass, Almond, Jasmine tea |
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Region | Cienfuegos |
Elevation | 1,000m |
Variety | Typica etc. |
Process | Washed |
Brazil
世界標準の風味「ブラジル」
その軽やかな芳香と程よいボディ感。 誰もが認めるシンプルな香味バランスはもはやコーヒーのグローバルスタンダードであり、現在も世界最大の圧倒的生産量を誇る定番産地。 約300年の栽培史の中でも特に爆発的に生産量を伸ばした19世紀半ば以降の生産技術革新の陰には多くの日系移民による創意工夫と活躍があり、 大正期以降に日本国内で普及拡大したカフェー文化におけるコーヒー観の礎を築いた。 乾燥土壌に適合した生産体系が発達しており、品種はムンドノーボなどブルボンの流れを汲む改良品種、精製はナチュラルと一部パルプトナチュラルが典型的なブラジルらしさと言える。 また、比較的低標高の産地が多いため生豆が柔らかい傾向にあり、精製由来の香ばしさを生かすためにも中煎り~中深煎り程度でバランスよく楽しまれることが多い。
Flavor | CacaoNib, Walnut, Brownsugar |
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Region | Minas Gerais |
Elevation | 1,100m |
Variety | Bourbon, MundoNovo |
Process | Natural |
世界各地にきらめく美しくもユニークなコーヒーたち。 各オリジンが当たり前の様に違っていて、その全てが個性的である事には必ず理由があります。 それは産地の気候や土壌成分、植生、標高などのマイクロクライメットはもちろん、流通に関わる地形や地理的要因、現地に根付く文化や主たる取引先におけるトレンド、また、そこに関わる海外支援者やアドバイザーの存在など、気が遠くなるほど多岐に渡る要素がひしめいています。 それらの複合的要素を総括し、各産地の栽培史と飲用史の延長上にある一般的焙煎を施すことにより、極めて典型的な特性を表現しました。 <精製>と<焙煎>によるアピアランスの先にある、複雑さと調和の多様性をぜひご体感ください!