こんにちは。PostCoffee焙煎士のArisaです。先日、SCAJ主催のカッピングセミナーに参加してきました。その内容をシェアします!
コーヒー屋さんで開催されているセミナーとどう違うのか?実際にどんなことをするのか?気になる方も多いのではないでしょうか。
SCAJカッピングセミナーとは?
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が主催するカッピングのセミナーです。SCAJカッピングフォームという評価シートを使用して、コーヒーの味わいを評価する方法と正しいカッピング方法についてレクチャーを受けることができます。
申し込み方法
SCAJの公式サイト(http://scaj.org)から申し込みできます。
実際のセミナー内容
座学
↓
一回目のカッピング&カリブレーション
↓
2回目のカッピング&カリブレーション
↓
3回目のカッピング
↓
講師によるフィードバック
という流れで講義が行われました。
座学は、
- スペシャルティコーヒーの定義を理解する
- スペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーの違いを理解する
- SCAJ方式カッピングフォームを理解して記入できるようにする
という内容でした。
実践では、
- カッピングをして、自分がつけた点数や感じたフレーバーを参加者全員でシェアするというカリブレーションを行います。
- 同じコーヒー豆でカッピングを3回繰り返して、適正に評価できているか、点数にぶれがないかを確認をします。
- 3回目のカッピング後には、講師の方から直々に自分がつけた評価のフィードバックをもらいます。
まとめると、スペシャルティコーヒーについて理解を深め、正しい方法でカッピングを行い、客観的にスペシャルティコーヒーを評価できるようにしよう!という内容です!
スペシャルティコーヒーとカッピングについては過去に記事を書いたのでそちらものぞいてみてください。
正しいカッピング方法
カッピングはスプーンでコーヒーをすすって、コーヒーを味わう単純な作業に思われがちですが、意外と正しいカッピング方法を知らない人も多いのではないかと思います。
大事なポイント
- カッピングボウルの正面に立ち、姿勢はまっすぐ。
- 毎回、同じ量のコーヒーをすくうために、スプーンの角度を一定にする。
- コーヒーをすくったら、直立姿勢のままスプーンを口元に持ってくる。
- 勢いよくコーヒーをすすり、口の中に霧状にコーヒーを噴射。
- 口に含んだコーヒーを吐き出す。
これはやってはいけない!
- 吐き出しカップにスプーンを入れる
カッピング中はスプーンの置き場に困ってしまうこともあると思いますが、スプーンを珈琲を吐き出したカップの中にいれてしまうのは衛生的にもマナー面でも避けたい行為です。
パブリックカッピングに参加する際は意識してみてください。
カッピングシートの記入方法
SCAJのシートはこういう感じです。
①名前と日付を記入する。
②サンプル名を記入する。
③ロースト度合いをチェックする。
④アロマをチェックする。
⑤8項目を評価し記入する。
⑨その都度、感じたフレーバーはメモする。
⑩合計点数を出す。
8項目の点数の付け方
0〜8点で点数をつけていくのですが、
- 0点 存在価値なし
- 1点 使えない
- 2点 まずい
- 3点 物足りない
- 4点 普通
- 5点 良い
- 6点 素晴らしい
- 7点 とても素晴らしい
- 8点 すごい、際立つ
0〜6点は1点単位での評価ですが、6点〜8点は0.5点単位で点数をつけます。
8項目の合計点数は最大で64点です。100点満点の評価にするため、最後に基礎点36点を足して総合点数を出します。
総合点数によって
- 68点以下→ローコマーシャル
- 69〜75点→コマーシャル
- 75〜79点→ハイコマーシャル
- 80〜84点→スペシャルティ
- 85〜89点→トップスペシャルティ
と分類します。
実際にカッピング
一種類につき2つのサンプルが用意されます。
右側と決めたら、右だけをひとまずカッピングしていきます。
カッピングはブラインドで行われます。コーヒーのサンプル名をふせた状態でコーヒーをカッピングしていきます。この時はディスカッションも出来ないため自分の味覚だけが頼りです。
実際に使用したサンプル
- ローコマーシャルコーヒー(Guatemala SHB)
- コマーシャルコーヒー(Brazil No2)
- スペシャルティコーヒー(Columbia Huila La Esperanza)
- トップスペシャルティコーヒー(El Salvador 2018 COE)
4種類のコーヒーが1回目のセッション、2回目のセッション、3回目のセッションでバラバラに出てきます。同じコーヒーなのですが、順番がかわると味わいの感じ方や印象が変わります。
どんな状況でも、適正にコーヒーを評価できる舌とコーヒーの味わいを客観的に評価する技術がとても大事なのです。
カリブレーション(1回目、2回目)
カッピングでつけた点数を参加者全員で集計をとって、感じたフレーバーをそれぞれ発表します。
スペシャルティやトップスペシャルティは、フルーツや花、質感の表現がたくさん出てくるのですが、ローコマーシャル、コマーシャルになると藁っぽい、ウッディーといったネガティブな表現が目立ちます。
1回目と2回目では、評価のばらつきが少なくなり、講師の評価に近い評価が出来るようになってきます。
フィードバック(3回目)
講師から個人的に評価、コメントをもらいます。自分がつけた点数、感じたフレーバーを伝えて評価の仕方をチェックしてもらいます。
今の自分の課題が見つかるので、フィードバックって大事ですね。
ちなみに、私はフラットなコーヒーを低くつけてしまう傾向がありました。美味しいけど、フラットだという理由で低い点数をつけてしまっていたのです。
セミナーを終えて
SCAJのカッピングはコーヒー産業に関わる方が多く参加されます。真剣で緊張感のある雰囲気ですが、真剣にコーヒーを勉強したい、極めたいという人にオススメです。
お店だけでカッピングしていると自分自身のカッピングの癖を見逃してしまいがちですが、SCAJのセミナーで色んな人の意見を聞いて、修正するというのも良いかもしれません。