欠点豆とは?コーヒーの味を整えるための大事な作業を紹介
コーヒー好きのみなさん、「欠点豆」というものを知っていますか?私は、コーヒーの会社に勤めて初めて「欠点豆」の存在を知りました。
野菜などにも形が悪かったり、成長不良で商品として出荷されないものがあるように、コーヒーにもそんな豆があるのです。今回は、そんな「欠点豆」の種類や特徴についてご紹介します。
欠点豆とはどんな豆?
欠点豆とは、形や色に異常、つまり欠点となる部分のある豆のことを指します。欠点豆が紛れ込むことで、コーヒーを抽出したときに渋みや雑味が出てきてしまうと言われています。
コーヒーの種類や精製方法、グレードによって大きく異なりますが、意外にもたくさんの欠点豆が出てきます。PostCoffeeで扱っているスペシャルティコーヒーでは、他のグレードのコーヒーと比較して、この欠点豆が少なめであることも特徴的です。高品質な味わい、舌触りを保つために、欠点豆を取り除くことは重要なんですね。
欠点豆の見分け方
具体的にはどんな豆が欠点豆に当てはまるのでしょうか。よくある欠点豆をいくつかご紹介します!
欠豆
精製や運搬の過程で欠けてしまった豆を指します。形が他の豆と異なっていたり、大きさが不足するので、火の通りが不均一になります。また、割れた見た目があまり優れないとして、取り除かれます。
潰れ豆
精製後の乾燥工程ので踏まれたりして、潰れてしまっている豆のことです。こちらも、形の変化により火の通りが不均一になり、見た目の問題で取り除かれます。
生育異常豆
遺伝子の異常などによって、うまく成長できなかった豆を指します。歪な形になり、味わいもえぐみや青臭い風味を持ちます。
発酵豆
名前の通り、発酵が進んでしてしまっている豆です。ウォッシュドの精製を行なった場合に発生しやすく、臭みが出てしまうため取り除かれます。中には完全に発酵しきって真っ黒になったものもあり、強烈な異臭を放つことも…。
カビ豆
精製後の乾燥が不十分だったり、湿気の高い場所に置かれたりしたために発生してしまうカビ生えの豆です。カビ臭やえぐみ、すっぱさなど、風味に重大な悪影響を与えます。
虫食い豆
虫食いの穴がある豆です。他の食物と同じように、コーヒーにも虫がつくことがあります。こちらも、風味に重大な悪影響を与えるため取り除れます。
パーチメント
「パーチメント」とは果肉の内側にある内果皮のことを指します。この薄い皮が、取り除かれずに残ってしまっているものを指します。焙煎中に火の通りが不均一になるため取り除きます。
欠点豆を取り除く作業
他の業界でも使われる言葉ですが、コーヒーにも「ピッキング」の作業があります。上記で挙げたようなカビ豆など正常なコーヒー豆に影響を与えてしまうものや焙煎後に出る欠けや割れのあるコーヒー豆を取り除きます。
ピッキングの作業は機械でも手作業でも行うことがあります。特に、コーヒ豆一つ一つを丁寧に確認するために、手作業で行うことをハンドピックと言います。PostCoffeeでもハンドピックで欠点豆を取り除いています。
欠点豆の少なさも魅力の一つ
欠点豆の少なさは、スペシャルティコーヒーならではの魅力のひとつでもあります。生産過程から、カップに届くまでの全ての工程で品質管理が徹底されていることが評価の基準となるスペシャルティコーヒー。もちろん欠点豆の少なさも重要な指標となるのです。欠点豆を取り除くことで、コーヒーの味が整います。見えないところでかけられた手間隙がおいしさを支えてくれているんですね。
また、コーヒー豆にもいろんな表情があるので、機会があれば、豆のままのコーヒーも見てみてくださいね。もしかしたら新しい発見もあるかも…?