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TALK ABOUT-COFFEE & CHILL OUT 山本海人(SON OF THE CHEESE)

仕事で集中したいときの相棒として、また、ぼんやりとリラックスしたい時間のパートナーとしても欠かすことのできない、一杯のコーヒー。毎日楽しむものだからこそ、その付き合い方も千差万別です。 本企画は “COFFEE & CHILL OUT” をテーマに、 さまざまなジャンルで活躍中のインフルエンサーを インタビューする連載企画。それぞれのライフスタイルをショーケースに、コーヒーとの付き合い方や、 いつものリラックス時間の過ごし方についてお話をうかがいます。

今回取材で訪れたのは、神奈川県で二番目に小さな町・真鶴町。相模湾に突き出た小半島からなる、豊かな黒潮が流 れ込むこの地は、年間を通じて暖かい風を運ぶ相模湾に向かって傾斜し、箱根の麓から続く豊かな緑に陽光が絶え間なく注ぐ、とても過ごしやすい場所。

「人がみんな優しいんですよね。東京にはない、他人を思いやる感覚が残っている。ここで暮らしてると、そういう 本来の大切なことを思い返させてくれるんですよ」

そう話すのは、アパレルブランド「SON OF THE CHEESE」のディレクター・山本海人さん。東京屈指の ストリートブランドを築き上げ、長年スケートボードカル チャーの前線に立ち続けてきた山本さんだが、数年前大病を患ったことを機に、真鶴へと移住。東京との二拠点生活 を営みながら「SON OF THE CHEESE」を基軸に飲食店のプロデュースやショップの内装デザインを行うなど、 現在も多忙な毎日を送っている。

「真鶴は自分の父が気に入っていたこともあって、おのずとこの場所に落ち着いた感じです。越してくる前は体調も 景気も落ち込んでいたし、煌びやかな都市生活に嫌気が差していたこともあって、正直一度都会を離れたい気持ちになっていたんですよね」

「競争の場である都心を離れて過ごす時間こそが、今の自分にとってのチルアウトなのかも」と話す山本さん。その ライフスタイルからはハードなワークスタイルの片鱗も感じさせず、自宅も庭も、取り巻く環境のすべてがまるでリラックス空間のよう。

「こんなユルい日常を送るなんて、子どもの頃は思ってもみませんでした。スケートカルチャーにどっぷりだった時期は、ある意味で 180度真逆の生活を送っていたわけですからね」

病気の影響で身体のバランス感覚を失なった山本さんは、 悔しくもスケートボードから降りることに。しかし、それは同時に新たな世界の扉を開くキッカケになったという。

「スケボーはやめて、今は海釣り。父が釣り好きで、実は子どもの頃からよく連れて行ってもらってたんです。本腰を入れてやってみたら、まんまとハマっちゃいましたね」

スケートボードとの別れは、付き合う人も、都市の見え方も大きく変えてしまったという反面、真鶴のような地方の町が魅力的に見えるようにもなったとも。

「ものごとの考え方も変わったし、選ぶ服も自分がリラックスできるものだけを選ぶようになった。そんな風に、自 分も自分を取り巻く状況も、大きく変わりましたね。過去には何か偉大なことをしてやろうなんて思っていた時期も ありましたけど、いまは “ 人のために動く ” ようにしています。真鶴に来てからは地域のお店に積極的に顔を出して仲良くしてもらったり、ビーチクリーニングに参加してみたり。ここは都心と違って無いものの方が多い。けど、その分得たものも多いんです」

訪れたスタッフにコーヒーを淹れながら、真鶴での生活、 釣りの話をしてくれた山本さん。そんな彼のコーヒーライフは、いたってシンプル。コーヒーの淹れ方や使う道具に強いこだわりはないとしつつも、コーヒー豆を選ぶ際は気をつけていることがあるという。

「コーヒー豆を選ぶ際は、極力そのお店の “ ブレンド ” を選ぶようにしています。ブレンドって寿司屋のおまかせみ たいなもので、いわばお店の顔だし、一押しってことじゃないですか。だからそこはお店を立てて、いつもブレンドを選ぶようにしているんです。このコーヒー豆は、近所に ある『あけび屋珈琲』のオリジナルブレンドで、自分のお気に入りです。お店のオーナーさんは、自分が 14 歳くらいのときに原宿でお店をやっていた方で、そういう繋がりもあって今もお世話になっています」

朝マズメ(早朝の魚が釣れやすい時間帯)に釣り竿を携えて海へ行く際も、自宅で淹れたコーヒーは必需品。アメリカで暮らしていた際の拠点がシアトルだったこともあり、 コーヒー文化にも造詣の深い山本さんから見て、スケートカルチャーとコーヒーには意外な接点があるとも。

「スケーターって、なぜかコーヒー好きなやつが多いんで すよ。マーク・ゴンザレスもめちゃくちゃコーヒー好き で、見てるこっちが心配になるくらい、いつも飲んでますからね。それって、刺激を欲しているからなんだと思うんです。言葉で言い表すのは難しいんですけど、平穏な日常を過ごす人びとにとっても “ 何かちょっとだけ興奮できること ” って欠かせないものだと思うし、無茶ばかりしてる スケーターにとってはなおさらのこと。刺激あってこそのスケートカルチャーですから。まぁ、自分はそれ以上の興奮を釣りに見い出しちゃいましたけどね(笑)」

山本海人 / Yamamoto Kaito

東京生まれ。アパレルブランド「SON OF THE CHEESE」のディレクターとして活動する傍ら、サンドウィッチショップ「BUY ME STAND」や、BARスタイルの蕎麦店「SOBAR」といった飲食店をプロデュースするなど、活躍の幅は多岐にわたる。現在は神奈川県の真鶴町に生活の拠点を移し、東京との二拠点生活を実践。ライフスタイルの主軸も長年連れ添ったスケートボー ドから釣り竿へと持ち替え、漁師町での暮らしを満喫している。 釣りを通じて真鶴で培った人脈を活かし、今後は釣り具のリリースも予定しているという。

SON OF THE CHEESE
東京都渋谷区東 1-31-19 マンション並木橋 303 号
Tel: 03-6427-1986
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Designer | Web / Graphic / Movieなどクリエイティブデザインに関わることをやっています。 趣味が高じてアウトドアファッションのWebメディア運営やコワーキングコーヒースタンドMAKERS COFFEEの運営もしていました。 ストリートカルチャー、アメリカ西海岸の雰囲気が好き。