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コーヒーがもっと楽しくなる!コーヒーの品種の話

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2022/02/16

PostCoffeeが取り扱うスペシャルティコーヒーは、ただ美味しいだけではなくそのコーヒーがどこで誰がどのようにして作ったのかが明確であり、味わいと情報もセットで楽しむことができるのも魅力のうちのひとつ。

PostCoffeeのコーヒーのパッケージを見てみると、何やら難しそうな英語がたくさん書いてありますが、実はこれはコーヒー豆のプロフィールのようなもの。コーヒーを楽しむ上でとても大切な情報なんです。

産地や農園、精製方法など、様々な情報が記されていて普段からコーヒーを飲まれる方は一度は目にしたことがあるかと思います。

今回はその中でも「品種(Variety)」にフォーカスをあててそれぞれの品種のもつ味わいや特徴などを紹介していきたいと思います。

コーヒーの2大品種

まず、コーヒーの品種は大きく分けて2つあります。

生産性が高く、病虫害に強いが風味が劣る“ロブスタ種”と生産性が低く病虫害に弱い代わりに、優れた風味をもつ“アラビカ種”です。

このロブスタ種は、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーなど安価なレギュラーコーヒーに使われています。

一方のアラビカ種は、コーヒーショップはもちろんのことカフェやコンビニコーヒーなどで幅広く使用されているコーヒーで、PostCoffeeも全てアラビカ種のコーヒーになります。

さらにこのアラビカ種の中にも細かな品種が存在し、コーヒーの風味を決める大事な要素になってきます。また、コーヒーの品種にはコーヒー伝播の歴史も密接に関係しており、そこを紐解いていくと産地ごとに違うコーヒーの味わいは品種による影響が大きいことが分かります。

それでは代表的ないくつかの品種をみていきましょう。PostCoffeeで販売中の豆で、それぞれの品種に当てはまるコーヒーもご紹介しています。

代表的な品種

<エチオピア原種(Heirloom)>

コーヒー発祥の地エチオピアに元々自生していた原生種。その長い歴史がゆえに厳密には1000以上の品種があると言われていて、エチオピアの品種グループをエチオピア原種と呼びます。ここからコーヒーの歴史が始まりました。エチオピアのコーヒーは他にないフローラルな香りと華やかで繊細な風味が特徴です。

Kuma Coffee / Bright Blend(KUM-6801)

LEAVES COFFEE / Ethiopia Worka Sakaro Natural(LEA-5607)

<ティピカ>

エチオピアからイエメンに移植されたコーヒーノキは、インドに持ち込まれた後インドネシア ジャワ島で栽培され、その後オランダからフランスのルイ14世へ渡り、フランスの植民地であった中南米へと伝播していきました。この苗木がティピカのルーツであり、エチオピア原種に近い、繊細で華やかな風味特性を持っています。

PostCoffee / Indonesia Gayo(IND-0410)

<ブルボン>

1715年にフランスがインド洋に浮かぶレユニオン島へティピカ種のコーヒーを持ち込んだとされています。当時人々からブルボン島と呼ばれていたレユニオン島の環境がきっかけで、突然変異が起こり新しい品種ブルボンが誕生しました。ブラジルへ渡ったあと中南米へ広がり、現在も多くの国で栽培されています。中南米のコーヒーの甘さやバランスのとれた味わいはブルボンによるもので、このブルボンをベースにカトゥーラ、パカスなどPostCoffeeのラインナップでもよく目にする様々な変異種も存在します。

NAGASAWA COFFEE / Ecuador Finca Perla Negra(NAG-6006)

PostCoffee / Brazil Fazenda Kaquend Pulped Natural(BRA-0109)

<SL28>

1931年、ケニアのコーヒー研究機関「スコット研究所(Scott Laboratories)」の研究員が当時のタンガニーカで見つけた種子を持ち帰り、栽培を始めました。その結果できた品種は、乾燥耐性に加えて優れた風味特性を持つことが確認され「SL」というコードが付けられました。その後、ケニア国内で広く栽培されることになりました。

ケニア特有のジューシーで明るい酸味はこのSL品種の味わいで、近年ではケニア以外でもSLを栽培している農園も多くみられます。

PostCoffee / Kenya Kegwa AA(MEL-7501)

<ティモールハイブリッド>

1927年、東ティモールで見つかった突然変異種でアラビカ種とロブスタ種のハイブリッド品種です。風味に優れるが耐病性に弱いアラビカ種と、風味は劣るが丈夫なロブスタ種を掛け合わせ、耐病性があり風味にも優れます。このティモールハイブリッドとカトゥーラの交配種であるカティモールという品種は、アジア中で広く栽培され、近年はプロセス技術の向上もあり高いクオリティのものも多くみられます。

PostCoffee / Zambia Kasama(ZAM-4301)

このようにコーヒーの品種は、エチオピアから始まったコーヒーの歴史と共に、長い時を経て世界中へ広まるなかでその土地の生育環境や生産背景に合った形で変化していきました。

普段何気なく口にしているコーヒーにも、こうしたストーリーがあると思うとなんだかワクワクしますよね。

ぜひコーヒーの品種にも注目して、素敵なコーヒーライフをお過ごしくださいね。

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焙煎士としておいしいコーヒーを消費者に繋げ、各地のロースターさんと一緒になってスペシャルティコーヒーの魅力を伝え、いい循環を生んでいきたいです。