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TALK ABOUT-COFFEE & CHILL OUT 馬場健太

それぞれのライフスタイルの数だけ付き合い方がある、コーヒーとの暮らし。本企画は “COFFEE & CHILL OUT” をキーワードに、さまざまなジャンルで活躍しているインフルエンサーにお話をうかがう連載企画です。その人ならではの日常をショーケースに、コーヒーとの付き合い方、そしてリラックス時間の過ごし方についてお話をうかがいます。

毎朝の目覚めに熱アツの濃いブラックコーヒーが欠かせなかったり、予定のない休日に文庫本を読みながら飲むカフェラテが疲れを癒すための大切な一杯だったり。人により楽しみ方、飲み方が違うからこそ奥深いコーヒーの世界。カップに入ったコーヒーと向き合っている時間が好きな人もいれば、豆を選んでいる時間、淹れている瞬間だって、魅力的な時間です。

そしてコーヒーには、「観て愛でる」という側面もあったりします。その代表格が “ ラテアート ” です。淹れたてのエスプレッソにスチームしたミルクをピッチャーから注いで模様などを描くこのカルチャーは、イタリアのエスプレッソ文化から派生し、現在は欧米のみならず、アジア圏でも独自の進化を遂げながら多くの人びとを楽しませています。

今回お話を伺った馬場健太さんも、ラテアートの世界に魅了されたひとり。まずはラテアートとの出会いについて、聞いてみました。

「学生時代にカフェダイニングでアルバイトをしていたんですが、そこにエスプレッソマシンが置いてあって、同僚が “ フリーポア・ラテアート(エスプレッソにスチームしたミルクを注いで絵柄を描く手法)” をやっていたんですね。横でそれを見ていて『楽しそう、僕もやりたいな』と思ったのが、ラテアートをはじめるキッカケでした。 自分が描いた一杯をお客さんに出したら、すごく喜んでいただけたんですね。それが、すごくうれしかった。人を感動させることのできるラテアートって、素敵だなって」

その経験を起点に、本格的にコーヒーとラテアートの世界へとのめり込んでいった馬場さん。しかし、これまでの歩 みは決してポジティブなことばかりでは無かったとも。

「本格的にコーヒーの世界を歩みはじめた背景には、実はある“挫折”があります。大学時代に受けた『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でベスト15までのぼり詰めたんですけど、結果的に敗退してしまったんですね 。もしそこに残っていたら 、きっとどこかの芸能事務所に所属して俳優とかを目指していたと思うんですけど(笑 )。 本当に 、人生でいちばん悔しい経験でした。数ヶ月ものあいだ家族や友人、ファンの方を巻き込んで応援してもらっていたことなので、悔しいし、申し訳なくて……。でも、いつまでもくよくよはしていられないし、自分のしたいことで生きていきたいという思いは変わらなかったので、後悔しないよう東京に出て、新たな可能性を探ろうと思ってこの道を歩みはじめました。思い返すとあの挫折が無かったら、現在の自分はいなかったわけですからね 。今はポジティブに捉えています」

九州から上京して、わずか5 年。馬場さんは都内の某カフェでバリスタとしての腕を磨いた後に独立し、ラテアーティストとしてこれまでに数多くの大会で輝かしい功績を残してきました。現在は並行してモデルやタレントとしての活動も行いながら、インフルエンサーとしてポップアップショップのプロデュースを行うなど、その活躍の幅は多岐に渡ります。

「ラテアートと出会うキッカケをくれたのも同僚であり友人の存在でしたし、今こうしてラテアーティストとして活動できているのも、友人や人との繋がりなくしては語れません。そうしたご 縁は、自分にとっていちばん大切なものだと思っています。だから今でも、休みがあれば 友 人を誘ってカフェに出かけたり、知人のお店に顔を出したり、ラテアート講師として生徒さんとコミュニケーションを楽しん だり、常に人との繋がりを第一に意識するようにしています」

馬場さんの人気は自身のSNS を見れば、一目瞭然。Tik Tok やインスタグラムをはじめとする SNSの総フォロワー数は85 万人を超え 、 なかでもラ テアート の動画は瞬く間に拡散するなど 、その知名度を着実に広めつつあります。

「Tik Tok やインスタの動画を通じてちょっとでも自分の活動を知っ てもらえたらと思って、定期的に投 稿を続けています。逆に、いろいろなラテアート作品を見られるので、自分にとってもいい刺激をもらっています。左右対称の模様などを描くことの多い欧米のスタイル に対して 、韓国や中国などのアジア圏のラテアートには既存のスタイルには囚われない、自由な雰囲気がありますね。モチーフも動物やキャラクターなどさまざまですし、なかには3Dラテアートのように立体的な作品が登場したり、ラテアートそのものの可能性を広げるような作品が生まれるのも魅力です。また、バリスタやラテアーティストが若者たちの憧れの職業になっていたり 、アジア諸国ではいまコーヒーカルチャー自体がもの凄く盛り上がりをみせています。日本にも喫茶店やカフェ文化といった根強いコーヒーカ ルチャーがあるし、PostCoffeeのように新しいサービスだってある。 今後、日本のコーヒーカルチャーも、もっと盛り上げていってほしいですね。そのなかでラテアートを通じて、自分もその一翼を担えたら何よりです」

「コーヒーを取り巻くカルチャーを盛り上げるために、まずはいかに触れてもらうかが大事だと思う。だから、常にどう触れてもらう のかを考えています」という馬場さんは、ラテアートの魅力を広く伝えるべくラテアート講師としてのワークショップにも尽力。SNS を通じて発信し、生徒さんたちとの交流など多忙な日々を過ごしていますが、オン・オフの切り替えはどうしているのでしょうか。

「リラックスしたり自分の気持ちを切り替えたいときは、あえてスマホやPCから離れるようにしています。いわば、プチ・デジタルデトックスですね。発信する側としてみんなが見たくなるようなコンテンツを作り続けるためには、考える時間ってすごく大事。でも、ずっと考えていると煮詰まってしまうので、最近はスマホやPCを使った作業や考える時間は夕方までにして 、夜はしっかりとダラダラする (笑)。あと、最近はサウナにハマっていて、友人と一緒に入りにいったりもしています。やっと “ ととのえる ” ようになってきましたが、まだまだ修行が必要です」

これまではリラックスタイムを意識的に取ることがなかったものの、 最近は生活にメリハリをつけることで「自分の甘やかし方、頑張らせ方も分かってきたかな」と話す馬場さん 。最後に、今後の展望についてもうかがいました。

「ありがたいことに、ラテアートや抹茶ラテなどを通じて多くの大会で優勝をしたり、さまざまな賞を手にすることができていますが、まだ日本国内だけの話。いずれは海外のコンテストに出場をして 、しっかりとした結果を残すことができればなと思っています。それに、今後も“ 馬場健太 ”として活動を続けながら、もっと多くの方に自分の活動や作品を知ってもらいたい。そのためにも、活躍の場は広げていきたいですね。それこそ、自分のショップをオープンして 、 そこで新たな繋がりができたり、お客さん同士の繋がりが生まれたりしたら、素敵だなと思いますね」

馬場健太/ Baba Kenta

長崎県生まれ、福岡県育ち。ラテアート講師。上京後、都内にあるカフェでの勤務を経て独立。現在は新進気鋭のラテアーティストとして、 各種 SNS を中心に作品を発表し話題に。ポップアップストアの展開や、 ラテアート講師としての活動も行っている。これまでに獲得したタイトルは、「FBC latteart Championship2018 /優勝」、「カフェ対抗ラ テアート日本一決定戦 2018 /優勝」、「FREE POUR LATTE ART GRAND PRIX 世界大会 2019 /ベスト 16」、「JAPAN MATCHA LATTEART COMPETITION /優勝」、「Symmetrical Latte Art Championship 2021 /優勝」など多数。ジュノン・スーパーボーイ・ コンテストでベスト15 に選ばれた経歴を活かし、モデルやタレントとしても活躍中。

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Designer | Web / Graphic / Movieなどクリエイティブデザインに関わることをやっています。 趣味が高じてアウトドアファッションのWebメディア運営やコワーキングコーヒースタンドMAKERS COFFEEの運営もしていました。 ストリートカルチャー、アメリカ西海岸の雰囲気が好き。