
ロースターとは?焙煎士の仕事と役割を知る

コーヒーショップやロースタリーで見かける「ロースター」という言葉。
コーヒーに詳しくなってくると、「ロースターって何をしている人なんだろう?」と気になることもあるかもしれません。
ロースターとは、コーヒー豆を焙煎する人や、焙煎を行うお店・会社などを指す言葉です。
日本では「焙煎士」と呼ばれることも多く、コーヒーの味わいをつくるうえで重要な役割を担っています。
今回は、コーヒーのロースターとはどんな仕事なのか、焙煎士は何を考えながらコーヒー豆を焙煎しているのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。
コーヒーのロースターとは
ロースター(Roaster)という言葉には、もともと「焙煎する人」や「焙煎機」といった意味があります。
コーヒーの世界では、コーヒー豆を焙煎する人や、焙煎を行うお店・会社を「ロースター」と呼ぶことがあります。
一方、日本では「焙煎士」という呼び方も一般的です。
コーヒーの生豆(なままめ)は、そのままでは普段私たちが飲んでいるコーヒーのような香りや味わいを持っていません。
焙煎によって豆に熱を加えることで、香りや甘さ、酸味、苦味など、コーヒーらしい味わいが生まれていきます。
ざっくりいうと、ロースターは生豆の持つ特徴を考えながら焙煎を行い、その豆が持っている味わいや産地特性を、できるだけわかりやすく伝えられる一杯に仕上げる仕事です。
焙煎士の仕事は「豆を焼く」だけではない
「焙煎士」と聞くと、焙煎機の前でコーヒー豆を焼いている姿をイメージするかもしれません。
かくいう私も、焙煎を行う日は一日中、焙煎機と生豆とにらめっこをしています。
もちろん焙煎は重要な仕事ですが、焙煎士の仕事はそれだけではありません。
どんな生豆を使うのかを考え、どんな味わいを目指すのかを決め、実際に焙煎した豆をカッピングして、仕上がりを確認する。
必要があれば焙煎方法を調整し、また次の焙煎につなげていきます。
大まかに分けると、次のような仕事があります。
生豆の買い付け
コーヒー生豆のほとんどは海外からやってきます。
基本的には、生豆を輸入するインポーターさんが海外から輸入し、私たちロースターがそこから購入するという流れです。
購入のタイミングは、主に日本にニュークロップが入ってくる時期。カッピング会などでその年のコーヒーを実際に味わい、品質や味わい、価格などを見ながら購入する生豆を決めていきます。
PostCoffeeでは、産地に直接足を運んで買い付けを行っています。
これまでにエルサルバドルやコロンビアの農家さんをインポーターさんと一緒に訪れ、農家さんとカッピングをしながら、購入する生豆を決めてきました。
実際に生産者と顔を合わせてコーヒーを味わうことで、私たちから味わいについてフィードバックを伝えたり、これからのコーヒーづくりについて話したりすることができます。
こうした直接のコミュニケーションを重ねることも、将来的な信頼関係を築いていくうえで大切なことだと考えています。

焙煎を設計する
生豆の特徴を見ながら、「どんな味わいを引き出したいか」を考えて焙煎を組み立てます。
どのくらいの温度でスタートするのか。
どのタイミングで火力を調整するのか。
どのくらいの時間をかけて焙煎するのか。
どこまで焙煎を進めるのか。
こうした条件を組み合わせながら、その豆に合わせた焙煎レシピをつくっていきます。
実際に焙煎する
焙煎中は、温度や時間だけを見ているわけではありません。
豆の色や香り、音など、さまざまな変化を確認しながら焙煎を進めます。
焙煎中の豆は、時間とともに色が変わり、香りも変化していきます。
豆の中で起きている変化を見ながら、見えない豆の内部や焙煎釜の中で何が起きているのかを想像し、必要に応じて火力や排気などを調整します。
数字として見える温度や時間だけではなく、目の前の豆がどんな状態なのかを考えながら焙煎することが大切です。

カッピングで味を確認する
焙煎が終わったら、それで仕事が終わりではありません。
実際にコーヒーを抽出して味を確認する「カッピング」を行います。
アロマ、酸味、甘さ、コク、口当たり、バランスの良さなどを確認し、狙った味わいになっているかをチェックします。
「焙煎したときの感覚」だけではなく、自分が行った焙煎が実際のカップにどう影響しているのかを確認するために、カッピングを行います。
個人的には、ここが焙煎士の仕事の中でも特に重要な部分だと考えています。
実際にカップを取り、味を知る。
そして、その結果をもとに「次の焙煎ではどう改善できるか」を考える。
この繰り返しが、焙煎の精度を高めていくことにつながります。
コーヒー豆は焙煎でどう変わる?
生豆は、焙煎によって大きく姿を変えます。
焙煎前の生豆は、一般的に「グリーン」と呼ばれる緑色をしています。
そこに熱を加えていくと、豆は少しずつ黄色、茶色、そして濃い茶色へと変化していきます。
同時に、コーヒーらしい香ばしい香りが生まれ、酸味や甘さ、苦味などの味わいも変化します。
この焙煎の度合いを表すのが「浅煎り」「中煎り」「深煎り」といった焙煎度です。
浅煎り
浅煎りでは、コーヒー豆が持つ果実のような酸味やアロマを感じやすくなります。
特にスペシャルティコーヒーでは、レモンやオレンジ、ベリーなどを思わせるような、明るくフルーティーな味わいを楽しめるものもあります。
中煎り
中煎りは、酸味と甘さ、コクなどのバランスを楽しみやすい焙煎度です。
豆によっては、果実のような風味に加えて、キャラメルやチョコレート、ナッツを思わせるような甘さや香ばしさが感じられることもあります。
深煎り
深煎りになるほど、苦味やコク、香ばしさが強くなっていきます。
チョコレートやナッツ、カカオ、黒糖などを思わせるような味わいが出てくることもあります。

同じ生豆でも、焙煎によって味わいは変わる
コーヒーの面白さのひとつが、同じ生豆でも焙煎によって味わいが変わることです。
たとえば、果実のような酸味が特徴の生豆でも、浅煎りにするのか、もう少し焙煎を進めるのかによって、感じ方は変わります。
浅煎りなら果実味や酸味を生かし、中煎りでは甘さとのバランスを取り、深煎りではコクや香ばしさを引き出す。
もちろん、すべての豆がこの通りに変化するわけではありません。
生豆が持っている特徴によって、どの焙煎が合うのかも変わります。
だからこそ、焙煎士には「この豆なら、どんな焙煎が合うのか」を考えることが求められます。

PostCoffeeのコーヒーを、おうちで楽しもう!
PostCoffeeのECサイトでは、生豆の個性や味わいを見ながら焙煎したコーヒーを、30種類前後ご用意しています。
浅煎りから深煎りまで、さまざまな味わいのコーヒーを取り揃えているので、産地や品種だけでなく、焙煎度による味わいの違いにも注目して選んでみてください。
気になるコーヒーを見つけたら、ぜひ実際に飲みながら、「この豆には、どんな焙煎がされているんだろう?」と想像してみるのもおすすめです。
まとめ
ロースターとは、コーヒー豆を焙煎する人や、焙煎を行うお店・会社を指す言葉です。
焙煎士の仕事は、ただコーヒー豆に火を入れるだけではありません。生豆を選び、豆の特徴を知り、目指す味わいを考え、焙煎を設計する。そして実際に焙煎し、カッピングで味わいを確認しながら、次の焙煎へとつなげていく。
そうした工程を繰り返しながら、一杯のコーヒーをつくっています。
コーヒーを飲むときに、産地や品種だけでなく「どんな焙煎がされているのか」にも注目してみる。
それだけで、コーヒーの楽しみ方がまたひとつ広がります。












