
Stereoscopeとめぐる、カリフォルニアのコーヒーカルチャー
港町から始まった、カリフォルニアのコーヒー文化
カリフォルニアのコーヒー文化のはじまりをたどると、19世紀のサンフランシスコに行き着きます。ゴールドラッシュによって急速に発展した港町には世界各地から人やものが集まり、ハワイや中南米などからコーヒー豆も運ばれるようになりました。1850年代にはすでに焙煎所やコーヒー商店が生まれ、1870年代には輸入業者や「coffee factory」と呼ばれる焙煎・加工業者も増加。やがてサンフランシスコは西海岸を代表するコーヒーの輸入・焙煎拠点となり、FolgersやHills Bros.などのコーヒー企業もこの地で発展していきます。

そんなカリフォルニアのコーヒー文化に新たな流れを生んだのが、1966年にバークレーで創業したPeet’s Coffeeです。創業者Alfred Peetは、当時アメリカで一般的だったコーヒーに物足りなさを感じ、品質の高い豆を自ら焙煎。焙煎したばかりの豆を量り売りし、注文に合わせて挽くというスタイルで、豆の鮮度や品質を大切にするコーヒーを家庭へ届けました。こうした「豆そのものを楽しむ」という考え方は、後のアメリカのスペシャルティコーヒー文化にも影響を与え、カリフォルニアでは産地や品質、焙煎まで含めてコーヒーを楽しむ文化が少しずつ育っていきました。
サードウェーブから広がる、いまのカリフォルニア
そして時代が進むにつれ、カリフォルニアのコーヒーは新しい転換点を迎えます。2000年代に入ると、豆の産地や精製、焙煎、抽出そのものに目を向ける「サードウェーブ」と呼ばれる動きが広がっていきました。2007年にはIntelligentsiaがロサンゼルスのSilver Lakeに進出し、2010年代にはスペシャルティコーヒーを扱う店が次々と増え、ロサンゼルスのコーヒーシーンはさらに広がっていきます。
現在のカリフォルニアのコーヒーシーンは、ひとつのスタイルでは語れません。シングルオリジンや浅煎りのフィルターコーヒーを追求するロースターがいる一方で、ラテやマッチャ、ティー、個性的なフレーバーを取り入れたドリンクを楽しめるカフェも多く、コーヒーはライフスタイルやカルチャーと自然に交わっています。多様なバックグラウンドを持つ人々が暮らすロサンゼルスやベイエリアでは、さまざまな国や地域のコーヒー文化も重なり合いながら、いまも新しいスタイルが生まれ続けています。
Stereoscopeが生まれた場所
そんなカリフォルニアのコーヒーシーンから生まれたのが、Stereoscope Coffeeです。2013年、ロサンゼルスを拠点に、認定QグレーダーでもあるLeif AnとClifford Parkによって設立されました。もともとはホールセールのロースティング会社としてスタートし、「最高品質のコーヒーを、より身近なものにする」ことを目指してきました。

Stereoscopeが掲げるのは、“Define Coffee. Create Culture. Make a Difference.”という言葉。コーヒーの品質だけではなく、それを取り巻く人やコミュニティまで含めてコーヒーの価値を考える姿勢が、その活動の根底にあります。創業者のLeif Anは、バリスタとしての経験を重ねるなかで、コーヒーの品質を伝えるためには、一杯をつくる人自身が成長できる環境も重要だと語っています。現在もロサンゼルスとオレンジカウンティを中心に店舗を展開し、焙煎所としての機能とカフェでの体験をつなげています。

Stereoscopeの現在の店舗は、Buena Park、Echo Park、Hollywood、Long Beach、Newport Beach、そしてSeoul。ロサンゼルス周辺で育まれたスタイルを、異なる街へと広げながら、それぞれの場所に合わせたコーヒー体験をつくっています。
コーヒーの「味」だけではなく、「見え方」までデザインする
Stereoscopeを語るうえでもうひとつ欠かせないのが、デザインです。オスロを拠点とするデザインスタジオ、OlssønBarbieriとともにつくられた現在のブランドとパッケージは、コーヒーをひとつの生きたものとして捉えるStereoscopeの考え方を表現しています。山を思わせる立体的なパッケージや、開封そのものを楽しめる仕掛けなど、コーヒーを手に取るところから飲み終えるまでの体験までデザインされています。
そのデザインは、コーヒー業界を越えて高く評価されています。2023年にはSCA Coffee Design AwardsのPackaging部門で優勝、さらにEuropean Design AwardでGoldを受賞。そのほかにもDieline AwardsやADC Awardsなど、さまざまなデザイン賞を受賞しています。コーヒーの品質だけでなく、その背景にあるストーリーや体験まで届けることも、Stereoscopeらしさのひとつです。

そして2026年、Stereoscopeは韓国・ソウルにロースタリーをオープンしました。カリフォルニアで生まれたStereoscopeのコーヒーとカルチャーは、海を越えてソウルへ。現地で焙煎からコーヒーを届けることで、新しい街でもその世界観を広げています。

世界中のロースターとコーヒーカルチャーを紹介するCFFBNSでは、現在取り扱い中の海外ロースターのラインナップを随時更新しています。ぜひ下記リンクよりご覧ください。
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